瑠璃堂(重文)

 釈迦堂から横川への峰道から分かれて、黒谷青龍寺へ向かう途中の山陰にひっそりと瑠璃堂があります。
車も入れないここでは、人影を目にすることは殆どありません。

瑠璃堂は比叡山焼き討ちのとき焼け残った唯一の遺構であり、
方三間入母屋造り、桧皮葺の建物に、室町建築の禅宗風特徴が見られ、
先ほどの釈迦堂とは対照的建築様式です。

山林のところどころには、昔の三千坊の跡をとどめる石垣が見られます。
これらに焼き討ち前の比叡山の盛時をしのぶとともに、
それらを一夜にして全山灰燼と化した歴史の恐ろしさを感じます。