随心院

平安朝の歌人小野小町は、六歌仙のひとりに数えられ、才色兼備の女性として知られていますが、
その生涯は殆ど謎に包まれ物語の世界で広く伝えられています。

物語には七小町として、宮廷生活での華やかな才媛、深草少将百夜通いのロマン、
そして宮廷を退いてからの放浪の生活、最後は100歳の老残な姿から骸となるまで、
小町の人生のはかなさが描かれています。

この辺りは小野一族の里であり、小町の父、出羽守良実の屋敷もここにありました。
境内には、小町に寄せられた恋文を埋めた文塚、小町化粧の井戸が残されています。
百夜通いの深草少将が小町を訪れる都度届けたというかやの実は99個で終わり、
小町が少将への供養として撒いたその実は、
今千年の風月を経てかやの巨木となり、今も数本この地で見られます。


 随心院 小町文塚                      小町化粧井戸