木地師の里 君ヶ畑

惟喬親王御陵から少し戻ると、小椋谷の奥に木地師の里と
呼ばれる君ヶ畑、蛭谷の村落があります。

君ヶ畑には、惟喬親王が建てられた金龍寺があり、
親王はここに住まいされていました。
今も本堂には「高松御所」と書かれた額が掲げられており、
ここにも惟喬親王の廟があります。

惟喬親王は日々読経三昧の暮らしの中で、
法華経の巻物の紐を引くと軸が廻ることから、轆轤(ろくろ)を考案されました。
また池に浮かぶ樫の実の殻を見て木椀を思いつかれたとも伝えられています。

親王から轆轤による木の椀、盆、独楽などの製法を学んだ木地師たちは、
良材を求めて全国へ流れて行き、小椋谷は全国の木地師発祥の地となりました。

往時は千軒以上の木地師が集ったといわれるこの里も、
今は20戸ばかりのひっそりとした隠れ里です。 

                      金龍寺 山門                           金龍寺  高松御所跡  

                      

惟喬親王廟                                君ヶ畑村落