一言寺

 誕生院から山裾に沿って歩くと、
真言宗醍醐派の別格本山金剛王院、通称一言寺に出ます。
なだらかな石段を上り山門をくぐると、右手に京都市の天然記念物ヤマモモノ古木が目につきます。

一言寺は、建礼門院徳子に仕えた藤原信西の娘阿波内侍が建立しました。
その後衰微した一言寺の地に
明治8年醍醐寺の塔頭金剛王院が移り再興されました。

本堂の軒下には「ただたのめ仏にうそはなきものぞ 二言いわぬ一言寺かな」とご詠歌が掲げられ、
ご本尊千手観音に、たったひとつの願いを一心に祈れば必ず叶えられるといいます。
本堂は弘化7年(1810)に建てられ、江戸時代を代表する建造物です。

参道の石段を横切る小道を、地元の人々は頼政道と呼んでいます。
治承4年(1180)、後白河法皇の皇子以仁王(もちひとおう)を奉じて、源頼政は平家追討に立ち上がりますが、
計画は事前に平家の知るところとなり、
頼政らが園城寺から宇治へ逃げ落ちて行った道と伝えられています。

 

 京都市天然記念物 ヤマモモノ木

山門への石段

   

山門から小栗栖の里展望 
 頼政道