善願寺

一言寺から醍醐寺への手前、旧奈良街道沿いに善願寺があり、
大きな榧(かや)の木が土塀越しに見えています。

この木は小町榧といわれ、深草少将が山科の小町の許へ99夜通った日数を榧の実で数え、
その実を植えたという樹齢1000年を数える巨木です。

この木の幹には昭和30年頃、仏師西村公朝が
一日で生木に彫りあげたという不動尊が刻まれています。
当時の住職が木の根元に立つ不動尊の夢を見て、
公朝に依頼したもので、その後約60年、今も老樹の霊魂を思わせる迫力ある姿が見られます。
しかし、やがては生木の回復力によって、不動尊は樹皮に覆われ、姿を隠すだろうといわれています。

本尊の地蔵菩薩は、
平安後期 定朝様式からなる268,2cmの丈六木像で、重文に指定されています。
平重衝の安産を祈願して造られたといわれ
、腹帯地蔵として親しまれる安産のお地蔵様です。

文治元年(1185)夫人佐の局(すけのつぼね)と日野で最後の別れをし、
木津川原で斬首された重衝のお墓はこの近くにあります。

かやの木の不動明王(絵葉書から)          本尊 地蔵菩薩(絵葉書から)

             

 善願寺全景                               平重衝の墓