幕末勤皇の僧 月照 信海上人と西郷隆盛

田村堂の横を北へ入ると、清水寺の本坊、成就院の総門があります。
門の奥に三つの石碑が並び、左から信海、月照の辞世の歌碑、
そして右端が西郷隆盛の月照をしのんで詠んだ七言絶句の記念碑です。

月照は成就院の住職で、勤皇の僧として攘夷を志しますが、
安政の大獄で追われる身となり、西郷とともに薩摩の錦江湾に身を投じます。
西郷はその時救われて、一命を取り止めました。

その後月照の弟信海も、成就院住職をを継ぎますが、
幕府に捕らえられて江戸で獄死します。

月照に仕えていた寺侍近藤正慎も投獄され、月照の行く方を厳しく追及されますが、
獄中で無言のまま舌を噛み切って自害します。
音羽の滝の近くには正慎の妻が開いた「舌切り茶屋」があります。
正慎の曾孫に当たるのが俳優の近藤正臣です。

また、月照について薩摩に同行した下僕大槻重助は、帰京の後一時捕らえられますが、
釈放されて月照の墓守をしながら「忠僕茶屋」を開きました。

本坊 北総門 奥に月照らの歌碑             近藤正慎碑  

          

舌切り茶屋                      忠僕茶屋