水路閣

インクラインの上部、船溜まりで本流と別れた支流は、
南禅寺境内を抜けて北へ流れます。
流れに沿った南禅寺までの小径は心休まる静かな散歩道です。

水路閣は明治21年に疏水の通路として造られました。
煉瓦で造られており、全長93m、水路幅2m、全幅4mあります。
明治時代格式を誇る禅寺の境内に、
近代的な煉瓦のアーチが造られたのですから、当時の人はさぞ驚いたことでしょう。

それから125年を経て、今はお寺のたたずまいに溶け込み、
苔蒸した煉瓦には過ぎ去った明治の歴史が感じられます。

支流は水路閣からトンネルを抜けると、哲学の小道に沿って北へ流れ、
春には桜の花びらを浮かべ、秋には紅葉の影を映します。

又南禅寺界隈には、山県有朋の無鄰庵、野村別邸碧雲荘など
7代目小川治兵衛施工になる明治富豪の庭園が並び、疏水の水はその池へと注いでいます。

 水路閣の上を流れる疏水                      インクラインから南禅寺へ
          

疏水に沿って静かな小道                       風格を感じる水路閣