海津 大崎寺

今津からさらに足を北へ伸ばし、
大崎観音として親しまれている大崎寺を訪ねました。

桜の季節には観光客であふれる湖岸の道も、
新春とはいえ全く人影はなく、お寺の茶店も店を閉じていました。

お寺への坂道を登り、境内に入ると懸崖作りの舞台の前に、琵琶湖が広がります。
奈良時代、開基泰澄大師作と伝えられる十一面千手観音を祀り、
近江西国9番札所です。

昔は興福寺の末寺として39の僧坊がありましたが、戦国時代の戦乱で荒廃し、
今は真言宗に属して、朱塗りの本堂と阿弥陀堂などを残すだけの静かなたたずまいです。

奥にある阿弥陀堂の天井は、「安土の血天井」として知られています。
明智光秀が本能寺の変で信長を討ち、安土城へ引き上げたとき、
城を守る信長の家臣たちは光秀と戦い、自刃しました。
秀吉は彼らの供養のため、血痕のついた用材をこのお寺へ奉納しました。
 

 境内から見た琵琶湖                            阿弥陀堂 

          

大崎寺入口                               冬の海津桜並木