新撰組屯所 旧前川邸

八木邸の向かいに旧前川邸があります。
昔の風情を残す板塀が続き長屋門は北側にあります。
今は所有者も変わり一般公開はされていません。

前川邸では新撰組の手で捕らえられた長州の志士古高俊太郎が、
ここの蔵で拷問を受けました。
蔵に今も残されている当時の荷揚げ用ロープで、古高は後ろ手に縛られて、
梁から逆さに吊り下げられました。
それでも口を閉ざした古高に、土方歳三らは足の裏に五寸釘を打ち込んで、
火のついた百匁ろーそくをそこに立て攻め続けます。
死を決意していた古高もついに堪えきれず「御所焼き討ち」の陰謀を白状し、
これが発端となって池田屋襲撃事件に発展しました。

また総長山南啓助も近藤勇と意見を異にし、組からの脱走を図り捕らえられてここで自害しています。
山南の懇意にしていた島原の遊女明里は、山南の死の間際に前川邸へ駆けつけ、
窓越しに今生の別れを果たしたと伝えられています。
山南の墓は近くの光縁寺にあります。

   古高俊太郎拷問の蔵内部              綱の下は2階から1階への荷物昇降口

             

 光縁寺 新撰組の墓                  左から3番目 山南啓助の墓