千本閻魔堂(引接寺) 普賢桜

引接寺といっても知る人とて殆どないこの閻魔堂は、私のホームページでは3回目の登場です。
最初は、このお寺の閻魔大王と念仏狂言を取り上げ、
次に紫式部ゆかりの寺として紹介しました。

今回は桜の季節に合わせて、この寺が発祥の地と伝える普賢桜をご覧いただきます。
この桜は花弁の先に雌しべが二本葉のように伸び、
あたかも普賢菩薩の乗る象の牙に見えるところから普賢桜と名付けられています。

また、花びらはひとひらひとひらと散るのではなく、花冠のままぽとりと落ちます。
あたかも囚人が斬首されて首の落ちる姿であり、
京都所司代は囚人への戒めのために監獄に植えたといいます。

昔この辺りは蓮台野と呼ばれ、葬送の地として知られていました。
表の通りには千本の卒塔婆が立てられていたので、千本通りと呼ばれるようになりました。
無常を感じる普賢桜の間から、紫式部を供養して建てられた十重石塔(重文)が見えています。

後小松天皇の時、足利義満はこの寺へお参りし、満開のこの桜を絶賛しています。 


 桜越しに見る十重石塔                      普賢桜            

          

閻魔大王                            紫式部像と十重石塔