雨宝院 歓喜桜

西陣の町中にあって、昭和の中頃まではこの辺りには
いつも西陣織の機を織る音が聞こえてきました。
その一角にある雨宝院は、西陣の聖天さんとして親しまれています。

お寺の歴史は、弘法大師が嵯峨天皇の病気平癒を祈願し、
大聖歓喜天をお祀りしたことに始まります。
観音堂の千手観音立像は、藤原期の作として重文に指定されています。

桜の季節には、歓喜桜を初め、観音桜、松月桜、御衣黄桜、枝垂れ桜などが狭い境内に咲きそろい、
五色椿など各種椿が彩りを添え、四季折々の花も美しく「花の寺」とも呼ばれています。
本堂前の歓喜桜は御室の八重桜と同じ品種で、根元から八重の花が咲きます。
また御衣黄桜は黄緑色の花をつける珍しい八重桜です。

境内には西陣五水のひとつ染殿井があります。
水は旱魃にも枯れることなく、染め物に適した水として利用されていました。

  雨宝院山門                           提灯の奥に染殿井がある  

                             

 黄緑色の花 御衣黄桜                          五色椿