大悲山 峰定寺

八月京都の猛暑を避けて、
鞍馬、花背の奥、人里離れた大悲山峰定寺を訪ねました。

車を降りて人影もない参道を歩むと、正面に樹齢250年を数える巨大な高野槇が見え、
その左手に平清盛によって造られたと伝える仁王門があります。
拝観窓口の庫裡では、カメラを初め世俗の手荷物一切を預け、
僧が托鉢の時下げる頭陀袋(ずだぶくろ)を首から掛けて修行僧の姿になり、
仁王門をくぐって本堂へ向かいます。

峰定寺は本山修験宗に属し、
大和の大峰山に対し、北大峰とも呼ばれています。
修行場にふさわしく、本堂への道はうっそうとした杉木立に覆われ、
自然石の急な423段の石段が続きます。

本堂は崖に張り付くように建ち、
久寿元年(1154)に造られたわが国最古の懸崖造りの建物です。
誰もいない静寂な舞台に立って周囲の山々を眺め、
風の音、小鳥の声に耳を澄ますと仏の浄土もさぞやと思われます。

峰定寺 参道                                 仁王門 

                         

境内へ                                門前の渓流 寺谷川