御所建礼門 羊の彫刻

 建礼門といえば御所の南正面にあって、
天皇、それに外国元首などの国賓だけが通られる格式ある御門です。
皇后も天皇とご一緒のときにはここを通られます。

 切妻造り桧皮葺の重厚なこの門の蟇股に
中国の故事による「仙人と羊」が刻まれています。

 晋の時代、黄初平(こうしょへい)は羊飼をしていましたが、
15才の時道士に誘われて金華山へ連れて行かれました。
40年の修行を終えて故郷へ帰り兄と再会した時とき
兄は飼っていた羊たちはどうしたと黄初平に問うと、
お兄さんには見えないのですかと言って、
黄初平が廻りの石を叩くと石は全て羊となりました。
仙人の修行の力を表しています

 門の上には二つの蟇股があり、
左が「仙人と羊」で仙人の右下にかすかに羊の頭が見えます。
右は「仙人と虎」で董奉(とうほう)の故事を伝えています。

 建礼門の前の広場からは、毎年5月15日の葵祭、10月22日の時代祭りの行列が出発します。

        建礼門                                仙人と虎の彫刻         

             

 黒木の梅 正面奥に建礼門                          紅葉の御苑