百人一首 逢坂山関址

逢坂山は百人一首に三首詠まれています。

  これやこの行くも帰るも別れては しるもしらぬも逢坂の関   蝉丸
  名にし負はば逢坂山のさねかずら 人に知られでくるよしもがな  三条右大臣
  夜を込めて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ   清少納言


国道1号線沿いに逢坂山関址の碑があり、
その近くには、音曲芸道の祖神として蝉丸を祀る蝉丸神社、関蝉丸神社上社、下社の3社があります。

百人一首では広く親しまれている蝉丸ですが、
その伝記としては定かでなく、むしろ謡曲や今昔物語でその名は知られています。

蝉丸は延喜天皇の第4皇子として生まれましたが、
盲目のため宮中を追われ逢坂山の近くで琵琶を弾き侘しく過ごしています。
そこへ第3皇女である姉「逆髪」が、琵琶の音に誘われ、髪の毛が逆立つという狂女となって現れます。
再会を喜びお互いの身の不幸を慰め合う姉弟ですが、
やがて名残を惜しみつつ、姉は再び去って行くという謡曲の物語です。

  

 関蝉丸神社下社 本殿                   下社 百人一首  蝉丸の歌碑 

             

下社 蝉丸型 時雨燈籠(重文)       和歌に詠まれた「さねかずら」男女が一緒に寝ることを意味します