猿丸神社
唐橋から瀬田川に沿って車で下り、
大石を経て宇治田原へ抜けた所に猿丸神社があります。
山奥に鎮まる神社の境内には、人影もなく神秘な静寂に包まれています。
本殿の前には狛犬に代わって、神の使いである2匹の石の猿が置かれています。
ご祭神猿丸大夫は晩年をここに隠棲したと伝え、近くの大石曽束には墓もあります。
三十六歌仙の一人に数えられている猿丸大夫ですがますが、
正確な資料は残されておらず、日野に草庵を結んだ鴨長明は
方丈記に「蝉丸の旧跡や猿丸大夫の墓を訪ねる」と書き残しています。
奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の 声きくときぞ秋はかなしき 猿丸大夫
百人一首には猿丸大夫とありますが、古今和歌集ではこの歌は詠み人知らずとなっています。
和歌のごとく秋には紅葉の美しい境内に、猿丸大夫の歌碑と故趾の碑があります。
神社には瘤取り、癌封じのご利益があり、
癌を平癒した御礼として瘤のついた木がたくさん奉納されていました。
猿丸とは「〇を去る」、即ち瘤を去ることを意味しています。
猿丸神社参道 猿丸大夫 和歌と木瘤の絵馬
可愛い夫婦猿 猿丸大夫遺跡の碑