宝泉院 額縁の庭園

宝泉院は大原三千院の奥、声明で知られる勝林院の塔頭です。
ささやかな入口の門をくぐると正面に近江富士をかたどった
樹齢700年を数える五葉松が塀の向こうに見えます。
 
そして本堂への小道のわきに、法然上人衣掛けの石があります。
文治2年(1186)法然上人が天台宗の顕真と、
浄土思想について大原問答を行ったときに衣を掛けた石なのでしょう。

客殿に座り廊下越しに眺める竹林の風情は、
まさに一幅の日本画を思わせ「額縁の庭園」と呼ばれます。
庭園の名称「盤桓園(ばんかんえん)」は立ち去り難いことを意味しています。

本坊の勝林院に伝わる声明は仏教儀式の音楽で、
日本の謡曲、長唄、民謡などの源流とされています。
ここの客殿の廊下にも伏見城の血天井が残されています。

伏見城 血天井                     近江富士型の五葉松           

              
                 

庭から見る五葉松                         法然上人衣掛けの石