羅城門

この写真の復元羅城門は、京都駅前のメルパルクビルの地下に置かれています。

羅城門は平安京の中心をなす朱雀大路南の入口にあり、
九条通に面して建っていました。
しかし、平安時代も中期になると都の南の方は寂れ、羅城門には死体が捨てられ、
いつしか妖怪の棲と化し、天元3年(890)の台風による倒壊以来姿を消してしまいます。

 芥川龍之介は今昔物語の世界を小説「羅生門」に描いています。
摂津の国から来た男が夕暮れの羅城門の楼上で、
老婆が女の遺体から髪の毛を抜き、鬘にして売ろうとしているのを見つける。
女は餓死から逃れるためには、こうするしか仕方がないのだと語ります。
    
 またその頃、羅城門を挟んで空海の東寺と
守敏の建てた西寺がありました。
天皇は雨乞い祈願を二人に命じますが、空海の法力により雨が降ります。
敗れた守敏は恨みを抱き空海を矢で射殺そうとしたとき、
突然現れた僧が空海の身代わりに矢を受け、空海を救いました。
九条通の羅城門遺跡入り口にある矢取り地蔵が身代わりになったといい、
地蔵の肩に矢傷が残っていたそうです。

羅城門遺址碑                             矢取り地蔵堂     

           

 矢取り地蔵                              守敏像