源頼政 鵺退治

 二条城の西北角の向かいに二条公園があり、木立の中に写真の鵺大明神の祠があります。
平安朝の頃、この辺りは天皇の内裏や朝堂院なども近く
政治の中心地でありました。

近衛天皇のとき、毎夜内裏に怪しげな鳥の声が聞こえ、天皇は怯え悩まされ源頼政にその退治を命じます。
清涼殿に宿直した頼政は、その夜も丑の刻になると東三条の方から黒雲が現れ、
鳴き声の方に矢を放つと鵺はこの池の辺りに落ちてきました。
家来の猪早太が刀で退治すると、鵺は頭が猿、胴が狸、手足が虎、尾が蛇という姿の怪物でした。
「ヒョウヒョウ」という鳴き声はトラツグミの声だったといわれます。
血の着いた鏃(やじり)を洗ったのが鵺池で、
公園には鵺大明神が祀られ、元禄年間に建てられた鵺池の碑と池も復元されています。

綾小路高倉にある神明神社には、その鏃2本が残されています。
頼政は頼朝の挙兵に先立ち、平氏に反旗を翻しましたが、敗れて宇治平等院の扇ノ芝で自刃しています。

元禄の鵺池碑と復元の鵺池                      鵺 月岡芳年画 

             

 神明神社                             平等院 扇ノ芝