源頼光 土蜘蛛退治
 
平安朝のころ、原因不明の熱病に臥せっていた源頼光は、
枕元に現れた怪しげな法師に突然襲いかかられ、銘刀「膝丸」で切り付けました。
法師の姿は消え、翌日頼光の四天王といわれた渡辺綱らが残された血の跡をたどると、
北野の後ろの森に続いていました。

そこには塚があり、塚を掘ると4尺余りの土蜘蛛が現れ四天王らはこれを退治しました。
頼光の病も治り、以来銘刀「膝丸」は「蜘蛛切」と呼ばれるようになりました。

今写真に見る蜘蛛塚は、千本北大路下るにある上品蓮台寺の
大きな椋木の下に「源頼光塚」として残されています。
もとは千本鞍馬口西にあったものが昭和の初めにここへ移されてきました。

もう一か所、北野天満宮の参道を入りすぐ左手に東向観音寺があり、
その裏手にも土蜘蛛燈籠があります。
もとこの蜘蛛塚も七本松一条にあり、明治年間に発掘されたとき、
そこにあった燈籠は庭石に使われましたが、祟りがあるとして後にこの寺へ奉納されました。 

 上品蓮台寺                      東向観音寺 土蜘蛛燈籠(小さな祠の中)  

          

土蜘蛛燈籠立札と奥は道真の母伴氏墓             土蜘蛛 月岡芳年画