仰木の一本桜 

琵琶湖側の奥比叡ドライブウエー登り口から、
旧仰木の集落を抜けて少し北へ行くと、のどかな里山の風景が広がります。

比叡山の麓から、馬蹄形の棚田が続き、遠くに琵琶湖や近江富士も眺められます。
まさに懐かしい日本の原風景であり、人家もなく木立の間からは鴬の声が聞こえてきます。

その風景の中に一本の桜の大木が薄いピンクの花をつけて、
妖艶とした姿を見せています。
この桜は近年写真家の今森光彦氏によって紹介され、人々に広く知られました。

近くには河原の左大臣源融を祀る、融神社があります。
融は嵯峨天皇の皇子で、紫式部の書いた「源氏物語」の主人公光源氏のモデルともいわれます。

百人一首にはの源融の歌があります。
 「陸奥のしのぶもじずり誰故に 乱れ染にし我ならなくに」

昔この辺りに融の荘園があり、伊香立の地に祀られています。


仰木 一本桜                       仰木 棚田風景  右奥近江富士

          

融神社 鳥居                           融神社 本殿