西野水道

 賤ヶ岳から余呉川放水路に沿って車で南へ7~8分走ると、
史跡西野水道があります。

江戸時代この西野集落は三方を山で囲まれ、大雨の都度洪水、飢饉に悩まされてきました。
この村の充満寺住職西野恵荘は、洪水から村を守るには山を掘り抜き、
琵琶湖への水路を作るしかないと考え、村人に呼びかけました。

最初能登から来た3人の石工は、途中の岩盤で工事に挫折、
深夜までかかり1日6㎝しか掘れなかったといいます。
再度伊勢の国から3人の石工を探し出し、村人の一丸となった努力もあって6年の歳月を要し、
天保11年(1840)ようやく水路は完成しました。

水道の全長240m、幅1.2m、高さ1.5m、まさに「近江の青の洞門」と讃えられています。
今は横に3代目となる昭和60年完成の放水路が勢いよく流れています。

水道を通り抜けた先には琵琶湖が開け、目の前に竹生島が浮かんで見えます。

 
  西野水道入口   西野水道公園 
   
 現3代目 放水路  西野水道出口 琵琶湖風景