安国寺 仏殿

京都縦貫自動車道を綾部安国寺インターで降り,古い街道の奥に安国寺があります。

紅葉に包まれて茅葺の風情ある仏殿があり、
本尊の釈迦三尊も間近に拝することができます。

足利尊氏は嘉元3年(1305)母上杉氏の実家であるこの地で誕生したといわれます。
境内には尊氏産湯の井戸も残され、
尊氏と母・上杉清子、妻・登子の宝篋印塔もあります。

歴応元年(1338)尊氏は夢窓疎石の勧めで、元弘の乱以降の戦没者の霊を供養するため、
全国66ヶ国2島に安国寺を設立、利生塔を建立しました。

元上杉家の菩提寺であった光福寺を改め丹波安国寺とし、全国安国寺の筆頭に定めました。 
往時は塔頭16、支院28に及んだといいますが、江戸時代に寺領も押収され、
今は訪れる人も少なく、静かなたたずまいに過去の歴史がしのばれます。

尊氏が元弘3年(1333)丹波篠村八幡宮で反幕府の兵を挙げたのも、
我が故郷を意識してのことだったのでしょうか。

本尊釈迦三尊(鎌倉・重文)                        梵鐘と紅葉  

           

 足利尊氏 産湯の井                     左から母・尊氏・妻の墓