比良の暮雪

近江八景は琵琶湖のほとり、湖西から湖南にかけての景勝の地8ヶ所を定め、
その四季の風情は歌や俳句にも多く詠まれ、安藤広重の浮世絵でも知られています。

近江八景の選定には、室町時代応仁の乱を避けて近江に来ていた近衛政家が、
中国の洞庭湖のほとりにある瀟湘八景になぞらえ、
近江八景の歌を詠んだことに始まるといわれます。
しかし近年では確かな記録に基づき、江戸初期の書家近衛信尹の撰が有力視されています。

2回に分けて、北から南へ現在の近江八景を訪ねます。

「比良の暮雪」は暮れ行く武奈ヶ岳・蓬莱山の連峰に白く光る雪景色をイメージしています。
春を迎え守山なぎさ公園の菜の花畑から見る残雪の比良の姿は素晴らしいです。

「比良八荒の荒れ仕舞い」という言葉があり、
湖西では3月も半ばを過ぎ春が来たと思う頃、
必ず一度は比良おろしが冷たく吹き、冬に逆戻りします。
この「比良八荒」が終わらないと湖国には本当の春がやってこないといわれています。


雪を頂く比良連峰


湖西の町(真野 小野 和邇 蓬莱)と比良                  雄琴から見た比良