幽霊子育て飴

珍皇寺の少し西に「幽霊子育て飴」と書いた幟の立つささやかな店に人だかりがしていました。

むかし鳥辺野の墓地の近くに飴屋があり、夜も更けてくると毎夜ひとりの若い女が
飴を買いに来て三文を銭箱に入れて帰って行きますが、朝になってみると銭は三枚の木の葉に代わっています。

不思議に思った店の主人が後をつけて行くと、墓地で女の姿が消えてしまいました。
翌日墓地を調べると、土中から赤子の泣き声が聞え、墓を掘ると先日身重で亡くなった若い母親が
、幽霊となって赤子に飴を与えて育てていたという話が伝えられています。