月鉾
鉾の辻と呼ばれる四条新町のすぐそばにある月鉾は、
鉾頭に江戸時代に造られた18金の三日月をいただき、その下の天王座には月読命を祀ります。
月読命は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉の国から戻り、
禊をして右目を洗われたとき生まれたとされ夜を支配する神様です。
そのとき左目を洗い生まれたのが太陽の神天照大神です。
正面鬼板の部分には3本足のヤタガラスもいます。
稚児人形は「於兎丸」です。
鉾の先端までの高さが約26m、巡行時の重量が約12tで山鉾の中で最大、最重量の大きさです。
しかも装飾が豪華で、正面破風屋根の下には左甚五郎作と伝えられる「兎と亀」の彫刻が施され、
その上に見える「金地彩色草花図」は円山応挙の絵です。
天井裏には岩城清右衛門作「源氏物語五十四帖扇面」の図があります。
巡行時鉾の後ろに架けられた見送りは、昭和の染色家皆川月華の「黎明図」、
前掛けは17世紀インドで造られたメダリオン絨毯です。
まさに動く美術館です。
左甚五郎作 「兎と亀」 上 「草花図」 円山応挙図 月鉾巡行
見送り 皆川月華 「黎明図」 源氏物語 「五十四帖扇面図」