夜泣き止めの松 本隆寺

西陣のほぼ真ん中、智恵光院通の五辻に法華宗真門流本山の本隆寺があります。
江戸時代享保、天明の2度の大火にも、
本堂だけは堂内に祀られている鬼子母神の霊験によって火災を免れ、
またの名を「焼けずの寺」と称します。

祖師堂の前には「夜泣き止めの松」があります。
このお寺の第5世日諦上人はある女性から幼児の養育を託されました。
夜になると泣きだす子を連れて、上人がこの松の周りを題目を唱えながら廻ると
子供はすぐに泣き止んだといいます。
その子は後に本隆寺の7世日脩上人となりました。
この松の葉や木の皮を枕の下に敷いておくと、子供の夜泣きに効くという俗説があります。

この地にはもと無外如大尼が開いた景愛寺がありました。
大尼は井戸の水に満月が影を映すのを見て、その水を手桶で汲もうとします。
しかし水の重みで桶の底が抜けて落ちてゆくと月影はたちまち消えてしまいました。
その瞬間大尼は悟りを開いたと伝え、
大尼の幼名千代野から名づけられた「千代の井」が境内に残されています。

         夜泣き止めの松                     奥に見える 千代の井          

             

本隆寺 山門                          本堂