伯牙山

伯牙山は綾小路通り西洞院の東にあります。
会所は重要文化財に指定されている京町屋杉本家です。

伯牙は中国の周時代の琴の名手で、
友人鍾子期の死を聞いて私の筝曲を本当に分かってくれる者はもう誰もいなくなったと悲しみ、
自分の琴の弦を断ち、その後琴を手にしなかったという伝説に基づきます。
昔は琴破山(ことわりやま)とも呼ばれていました。

御神体の伯牙は手には斧を持ち、前には琴が置かれています。
懸装品はすべて中国風で統一されており、
前掛けの「慶寿裂」は長寿の祝いに贈られる金襴で中国明代の名品です。

杉本家は寛保3年(1743)四条烏丸で呉服商「奈良屋」を開業、明和4年(1767)現在地に移りました。
幕末元治の大火で家は焼け、今の建物は明治3年の建築です。
土塗りの虫籠窓(むしこまど)、犬矢来、格子窓などに
昔ながらの京町屋の風情が見られます。

杉本家の横を四条通り郭巨山へ抜ける路地を膏薬辻子(こうやくのづし)といいます。

 伯牙山の会所 杉本住宅          会所飾り 正面慶寿裂 
               
御祭神 伯牙                 普段の杉本家住宅