山伏山

室町通り錦小路上がるにあるこの山は、山伏姿の浄蔵貴所をご神体とします。
平安時代浄蔵貴所は八坂法観寺の五重塔が傾いたとき、法力でそれを直しました。
また、熊野詣の途次、父三善清行の危篤が伝えられ、
京へ急ぎ帰りましたが、堀川一条の橋の上で父の葬列に出会います。
祈祷により父を一時蘇生させ別れを惜しんだところから一条戻り橋の名が残されています。

町家の二階に祀られた山伏は、肩に斧、腰に法螺貝をつけた大峰入りの姿で、
宵山を楽しむ人々を見下ろしています。
一階の会所には中国の養蚕から機織りまでを描いた風俗画の水引などが飾られています。

またこの時期会所の奥では茅の輪くぐりが行われ、厄除け無病息災を祈ります。
7月15日には前の路上で聖護院山伏による護摩焚きが行われ、
前祭り山鉾巡行の安全が祈願されます。
23日には役行者山でも後祭り巡行の安全祈願護摩焚きがあります。

このような隠れた行事やいろいろのパワースッポトを見て廻るのも祇園祭の楽しさです。

 会所飾り 左上水引 中国風俗機織り図         奥右 中国明代 竜波濤文様 
             
 茅の輪くぐり        山伏山