ケーブルカーの車窓

 ケーブルカーは急勾配の斜面をロープで引き上げる釣瓶式になっています。
従って運転手は山頂駅で操作し、運転席には車掌だけが乗務しています。 

ケーブルの途中には2ヶ所の駅があり、乗降者がある場合にだけ停車します。
最初の駅が「ほうらい丘」です。
赤い提灯が下がり山の斜面に掘り込まれた洞窟の中にたくさんの石仏が祀られています。
信長が比叡山を焼き討ちした時の犠牲者を弔うため造られた石仏で、
ケーブル建設工事のとき掘りだされたものが集められています。

次の駅が「もたて山」です。
この駅の近くに紀貫之の墓があります。
紀貫之は三十六歌選の一人であり、古今和歌集の選者として、
また土佐日記の作者としても知られています。
紀貫之はこの裳立山から眺める琵琶湖の風景を愛し、遺言としてここに葬られました。

ケーブルカー車内   ほうらい丘石仏
     
   
  
 もたて山駅 貫之が愛でた風景  大津市街を望む