天守閣跡から本丸御殿を望む

二の丸庭園を奥へたどると、本丸の内濠にかかる橋の正面に本丸櫓門が見えます。

後水尾天皇の行幸のとき、家光によってお城の西側が大きく拡張され、
本丸には4棟の御殿と天守閣が設けられました。
創建時の天守閣は淀城へ移され、伏見城から移築された五層の天守閣がありましたが、
寛延3年(1750)の落雷によって焼失、本丸御殿も天明8年(1788)の大火で焼失しました。

後水尾天皇行幸時には、二の丸黒書院からは内濠を渡る2階廊下が造られていました。
天皇は櫓門を経て土を踏むことなく廊下伝いに本丸に入られ、天守閣からの四方の展望を楽しまれました。

現在の本丸御殿は明治26年に御所の旧桂宮邸を移した公家住宅の貴重な遺構です。
御常御殿は三層で書院建築の上に瀟洒な数寄屋風建物が見られます。
幕末には皇女和宮が将軍家茂に嫁ぐ前の約1年8ヶ月をこの桂の宮邸で過ごされています。
また孝明天皇も安政の御所の火災のとき、仮皇居に使用された由緒ある建物です。

 天守閣への石段     本丸櫓門(重文)
             
 
   本丸御常御殿(重文)     

         天守閣跡より内濠を望む