半夏生咲く両足院

明治の廃仏毀釈までは建仁寺には53の塔頭がありましたが、今は15の塔頭です。
これらの塔頭は通常非公開ですが、特別公開される時期に訪ねてみました。

両足院では初夏のころには半夏生が美しく咲き、
半夏生の寺としても知られています。
建仁寺は「建仁寺の学問面」とよく言われますが、
その中核をなし五山文学の最高峰を維持したのも雲外などここ両足院の住持でした。
池泉回遊式庭園は京都府の名勝庭園に指定されています。

隣の毘沙門天堂には鞍馬の毘沙門天の体内仏が祀られています。
黒田長政は関ケ原の戦いでこの尊像を内兜に収めて勝利を得たといいます。
祇園の芸妓、舞妓には良い旦那が見つかるようにとお参りする縁結びの神様でもあります。

境内の南東にある大統院は、昭和21年作庭家北村安夫氏によって造られた耕雲庭の市松模様が印象的です。
ここには儒学者林羅山も滞在していたこともあり、円山応挙の幽霊図も公開されていました。
足のない幽霊は応挙のこの図から始まったとされています。

 両足院 庭園  毘沙門天堂の毘沙門天 
            
大統院 応挙の幽霊(2008年撮影)   大統院 耕雲庭