木賊山(とくさやま)

前祭の木賊山は世阿弥作の謡曲「木賊」を基にして作られています。
信州に住む老翁は、若いころ幼い子供をさらわれ、
木賊(植物)を刈りながら宿を営み、旅人からの情報に子供との再会を永年待ち望んでいました。
ある日都の僧に連れられた松若がその宿に泊まり、
老翁の身の上話に親子であることがわかり、めでたく再会を果たすという物語です。

御神体である翁の像は、子を思う悲しげな表情で右手に鎌、左手に木賊を持っています。
製作年代は安土桃山時代で、頭部は春日仏師の作伝えられています。
ここには迷子のお守りがあります。

木賊山の懸装品は優れたものが多く、会所を多彩に彩っています。
左手前の前掛「唐人交易図」は江戸後期に造られたものですが、
200年を経て劣化も進み、写真にはありませんが今年川島織物によって復元されました。

  悲し気な翁のご神体  木賊山の巡行
             
      
鎌を持つご神体
      
 木賊山