通天橋のもみじ  

晩秋の一日、京の紅葉の名所東福寺を訪ねました。
清流の洗玉澗に架かる通天橋は、燃えるような紅葉に囲まれ絵のような美しさです。

東福寺といえば紅葉で、桜はほとんど見られません。
今から600年ほど前、足利義持はこの寺の画僧明兆(兆殿司)に大涅槃図の作成を命じました。
義持はその褒美として何か望みはないかと尋ねた時、
明兆は境内に桜があると気持ちが浮つき、僧の修行の妨げになり、
桜の木をすべて取り除きたいと答え、それが認められて桜は全て伐採されました。

次に本坊の庭園を訪ねました。
この庭は方丈の四方を取り囲むように東西南北に庭が配され「八想の庭」といわれます。
昭和14年重森三玲による作庭で、モダンな現代感覚が織り込まれており、国の名勝に指定されています。

南庭は神仙思想に基づき、巨石でもって須弥山の九山八海をあらわした枯山水庭園です。
西庭は奥の四角に刈り込まれたさつきが、白砂の上に市松模様に配されています。


 紅葉の通天橋
 青葉もみじの通天橋
          

本坊南庭 
      本坊西庭 井田市松の庭