塔頭巡り  退耕庵 明暗寺(善慧院) 

東福寺の中には25の塔頭があります。
退耕庵は応仁の乱で荒廃した寺を、毛利の政僧といわれた安国寺恵瓊が再興しました。

そのゆかりもあって石田三成、小早川秀秋、宇喜多秀家らは関ヶ原合戦を前にしてここで謀議を行い、
また幕末の鳥羽伏見の戦いでは長州藩の陣が置かれました。
門前には戊辰の役殉難士菩提所と記された碑が建てられています。

門を入ると小野小町への恋文を胎内に納めたという玉章地蔵と小町100歳の像を祀る地蔵堂があります。
玉章(たまずさ)は手紙を意味します。
そして堂の前には小町が老い行く100歳の姿を映したと伝えられる井戸があります。

その近くにある善慧院は通称明暗寺と呼ばれています。
明暗寺は虚無僧の始祖虚竹禅師の開いた虚無僧ゆかりの寺で、
尺八の根本道場でもあります。
境内には吹禅の碑がありますが、
吹禅とは座禅に対し尺八を吹くことが禅の修行であることを示しています。

 退耕庵 地蔵堂  小野小町百歳の井戸
           
明暗寺山門    吹禅の碑