比叡山三面大黒天

インドの神「大黒天」は、日本に伝わると神道の「大国主命」と習合し、福の神となりました。
どちらも「だいこくさま」とよばれて親しまれています。

神話では大国主命は野火に包まれて逃げ場を失ったとき、
鼠が現れて洞穴へ導き大国主命を救ったとの伝説があり、大黒天のお使いは鼠とされています。
大黒天は北(子=鼠)の方角の神でもあります。

今から1200年前、最澄が根本中堂建設のためこの地を訪れたとき、
仙人が現れ私を比叡山に祀れば三千人の僧の食事を守り、
福徳と寿命のご利益を保証しますと語り去っていきました。

最澄は大黒天に毘沙門天と弁財天を合わせて三面大黒天を自ら刻み、
延暦寺の台所の守護神としてここ大黒堂に納めました。
これが日本の大黒天信仰の発祥とされています。

豊臣秀吉も三面大黒天を信仰し、豊太閤にまで出世したことから出世大黒天とも尊称されます。
秀吉の妻北政所「寧々」終焉の地、高台寺の円徳院には三面大黒天が祀られています。
大黒天は福、毘沙門天は勝利あるいは子宝、弁財天は学問芸術の神でもあります。

 根本中堂 奥に大黒堂  比叡山からの琵琶湖展望
                

東山 円徳院 三面大黒天

比叡山霊園の大黒天