即成院  25菩薩お練り供養

泉涌寺の参道入り口にある総門をくぐるとすぐ左手が即成院です。
平安時代、恵心僧都が伏見に建てた光明院に始まり、藤原頼通の子橘俊綱が伏見寺とし、
秀吉が伏見城を築くにあたり、寺は深草大亀谷に移転、そして明治8年にここへ移ってきました。

本堂には丈六の阿弥陀如来を中心に、観音・勢至をはじめ25菩薩が極楽浄土から来迎する姿で並び、
これらの仏像は平安と江戸時代の作で、すべて重文に指定されています。

毎年10月の第3日曜日には、境内でお練り供養が行われます。
本堂を極楽浄土に見立て、地蔵菩薩を先頭に黄金の仮面をつけた25菩薩が衆生を極楽浄土へ導き、
仏の世界がきらびやかに再現されます。

境内には那須与一の墓と伝えられる鎌倉時代の大きな石塔があります。
那須与一は下野国から屋島の合戦に向かう途中伏見で病に倒れ、即成院の阿弥陀如来の霊験で治癒し、
屋島では扇の的を射落して名を残し、晩年は出家して伏見で亡くなったと伝えられています。

即成院は毎年1月成人の日に泉涌寺山内で行われる「泉山七福神巡り」の1番で、
寿老人を祀り長寿と幸福のご利益があります。

お練り供養      阿弥陀如来と25菩薩 (お寺の絵葉書から)
           
 本堂         
那須与一墓