今熊野観音寺

新善光寺からさらに奥へ進み、渓流にかかる鳥居橋を渡ると西国15番霊場今熊野観音寺があります。
ここも泉涌寺の塔頭のひとつです。

平安朝のころ弘法大師空海は、熊野権現の化身である老翁から一寸八分の観音像を授かり、
自らが刻んだ一尺八寸の十一面観音にそれを体内仏として納めたのが下の本堂のご本尊です。

後白河法皇はこのご本尊を深く信仰され、
お寺に「新那智山・今熊野」の名を下賜されました。

本堂への石段の手前に「子まもり大師」の大きな像があり、周囲には四国霊場の砂が敷かれています。
前の札には「南無大師遍照金剛と唱えながら
四国八十八ケ所のお砂を踏んでお大師様を廻ってください」と書かれてあり、
杖も準備されていました。

弘法大師を祀る大師堂の石段手前には「ぼけ封じ観音」があります。
このお寺は「頭の観音さん」として信仰され、頭痛、知恵授かり、学業成就などのご利益がありますが、
近年は「ぼけ封じ観音」に人気が集まります。

ぼけ封じの観音のそばには信者から奉納された「身代わり石仏」が並んでいます。
自分の身代わりとして本堂で祈祷を受けた石仏は、ここに納められて常に観音様の加護を受けているのです。

昨今のコロナ感染から寺院の非公開も相次ぎ、コロナ封じ観音の出現が待たれるこの頃です。

  大師堂 手前ぼけ封じ観音 ぼけ封じ  身代わり石仏 
            
 子まもり大師 入り口にかかる鳥居橋