椎　本　（しいがもと）

薫君から宇治の姫君たちの話を聞いた匂宮は、春花のころ初瀬参詣の帰途、
宇治の夕霧の屋敷に宿をとり、薫君らと管弦の宴を開きました。
その華やかな様子は対岸の八の宮の屋敷にも聞こえてきました。
しかし匂宮は身分柄、姫たちの屋敷へは行けず文を送ります。
返し文は妹の中の君から届き、二人の間に文のやり取りが始まります。

夏に入り久しぶりに宇治を訪れた薫君に、死を予感した八の宮は
娘たちの将来を託し、娘たちには結婚には慎重であるよう遺言します。

やがて八の宮は亡くなり、薫君、匂宮からは
嘆き悲しむ娘たちのもとへお悔やみの文が届けられました。
その年の暮れ雪の中を宇治へ訪れた薫君は、大君に匂宮と中の君の結婚をすすめ、
自分の気持ちは大君にあることをほのめかしますが、大君には無視されてしまいます。

椎本の碑は、京阪宇治駅近くの彼方神社の前にあります。

彼方神社前の椎本石碑	源氏物語　与謝野晶子歌碑
大吉山から見た　平等院	大吉山から見た　宇治市街