宿 木 (やどりぎ)

中の君を迎えた匂宮ですが、帝は匂宮に右大臣夕霧の娘との結婚を決めます。
匂宮は二条院への足も遠のき、不安な気持ちの中の君を慰めに訪れた薫君に
中の君は宇治へ戻りたいと打ち明けます。
一夜を語り明かした薫君は、中の君に大君の面影を見て心がしだいにひかれてゆきます。
   
しかし、中の君は薫君の気持を冷静に受け止め、亡き大君に生き写しの異母妹浮舟のことを語ります。
浮舟は八宮が侍女に産ませた娘で、常陸宮へ嫁いだ母とともにそこで育てられていたのです。

翌年2月中の君は男子を出産し、立場もようやく安定しました。
そして薫君は帝の娘二の宮を正室としましたが、亡き大君を慕う気持ちは消えません。

葵祭もすみ薫君はひとりで宇治へ向かい、弁の尼を訪ねました。
そのとき初瀬詣での帰りという浮舟の女車が通りかかり、
ひそかに眺めた浮舟に在りし日の、大君そのままの姿を見るのでした。

宿木の碑は宇治川左岸、塔の島への橋の少し上流にあります。

 宿木の碑     宇治川  塔の島から下流へ
          

塔の島から上流へ 
      塔の島 十三重の石塔