手 習

比叡山の横川に高徳の僧都がおられました。
その僧都の母が妹尼と初瀬に詣でた帰途宇治で発病し、僧都も宇治へ駆けつけます。

母が加持祈祷を受けている宇治院の屋敷の裏で、浮舟が倒れているのをお供の僧たちが見つけました。
妹尼たちが介抱し、正気を取り戻した浮舟は
「私は生きる望みも失いどうか宇治川にこのまま流してください」とかすかな声で言うばかりで名も告げません。

数日して母の病も癒え、妹尼は母と浮舟を連れて洛北の小野へ帰宅、僧都は山へ帰って行かれました。
妹尼は初瀬の観音様のくださった人として素性も知らぬ浮舟を大事にします。

妹尼が再び初瀬詣りに出かけた留守に、小野の草庵へ訪ねてきた僧都に浮舟は出家を願い出ます。
僧都は引き留めようとされるが、浮舟の意思は固く戒を授けられました。

翌年浮舟の一周忌も薫君によって営まれ、浮舟の消息は僧都の宮中での世間話から、薫君に伝えられていきます。
手習いの碑は京阪三室戸駅近く府道沿いにあります。

 手習の碑  比叡山 横川中堂   
                    

 横川 源氏物語碑 
 
 比叡山から琵琶湖を望む