夢の浮橋
薫君は浮舟の弟小君を連れて横川の僧都のもとを訪れ、小野に住む女のことを尋ねます。
僧都は薫君の気持ちを知って、浮舟が生きて仏門にあることを語ります。
薫君は夢かと喜び、僧都に浮舟のもとへの案内を頼むのですが、
僧都はそれを断り、浮舟に還俗を進める文を薫君に預けました。
その翌日小君は僧都の文を持って小野の里を訪ねました。
浮舟は簾越しに弟の姿を見て、母を想い心乱れて涙を流しますが、
再び薫君に会う気持ちはなく、小君にも人違いであると言って薫君の文さへも受け取りません。
やむなく小君は姉の無情を嘆きつつ京へ戻って、そのことを薫君に伝えました。
薫君のわびしくやるせない気持ちは大きく、浮舟は誰かに匿われているのではないかとさへ疑いを持つのでした。
物語ははここで終わっています
夢の浮橋の碑は宇治橋の西詰に置かれた可憐な紫式部の像の前にあります。
これら宇治十帖の碑は、物語に基づく明確な場所は定めがたく、
江戸時代に物語のイメージにふさわしい場所として選ばれたようです。
夢の浮橋碑 | 夢浮橋ひろば |
洛北小野 大原の里 | 洛北小野 惟喬親王陵付近 |