今年の大文字送り火

今年の大文字送り火はコロナ禍の中で昨年に続いて寂しいものとなりました。
いつもならば75の火床に点じられる大文字の火が、写真のように各ポイント6ヶ所だけに点じられました。
果たして疫病退散であるコロナへの効果は得られたでしょうか。

毎年見慣れている京都の人々には、大の字がイメージできたでしょうが、観光客にはいかが写ったでしょうか。
五山の他の山ではわずか1ヶ所か2ヶ所の点火でした。
大文字の送り火は冥土へ帰る精霊を送るための盂蘭盆会の行事です。

大文字山の麓には浄土院というお寺があります。
昔浄土寺といったこのお寺が火災にあったときご本尊の阿弥陀如来が山頂に飛び移り大光明を放ち、
後に弘法大師がそれを「大」の字に改めたのが始まりといわれます。
その後大文字送り火は廃れてしまっていたのを、
足利義政が我が子義尚の菩提を弔うために相国寺の僧横川景三に命じて復活させました。

その他諸説ありますが、ほぼ現在のような姿になったのは江戸時代以降です。
それでは次にその義政ゆかりの銀閣寺を訪ねてみましょう。


例年の大文字 
 浄土院
                            

銀閣寺総門 
 銀閣寺垣の参道