花の寺 勝持寺

洛西大原野神社の少し奥に花の寺と呼ばれている勝持寺があります。
白鳳8年(679)に天武天皇の勅願により建てられた天台宗の古刹で、
参道の仁王門は応仁の乱にも焼失を免れたこのお寺では最古の建物です。

佐藤義清はここで出家し、僧名は円位ですが、後に西方極楽浄土を求め号を西行としました。
ここは花の寺といわれるように、桜を愛した西行手植えの桜が「3代目西行桜」として植え継がれ、
そのほか境内には100本の桜が春には満開となります。

能で演じられる「西行桜」では、西行はここの桜を求めて集い来る人々によって
静かな隠遁生活が乱されることを憂いて今年は公開を禁止します。
しかし押し寄せる人々にせがまれやむなく門を開き、
「花見んと群れつつ人の来るのみぞ、あたら桜のとがにはありける」
(花見に人が集まるのは、桜の罪だ)と歌を詠みました。
その夜老木の桜の精が現れ、草木に心はないのだから桜に罪はないと語り西行も納得します。

西行桜 
阿弥陀堂
 
     

 仁王門
 石段の参道