寂  庵

 先日瀬戸内寂聴さんが99歳で亡くなられました。
私が寂庵を偶然訪れたのはもう10年ほど前のことで
、このホームページ「40 晩秋の嵯峨野散策」に記しています
その時は山門だけの紹介でしたので、古い写真を引っ張り出して当時の寂庵内部をご紹介します。

寂聴はは夫の教え子と不倫の恋に落ち、27歳の時夫と3歳の娘を捨てて京に入ります。
その後、瀬戸内晴美の本名で数々のポルノ小説を発表して、幾多の文学賞を受賞、
しかし、51歳の時平泉中尊寺の管主今東光師のもとで得度し法名寂聴となります。

その後比叡山行院での60日間の厳しい籠山修行を終え、
昭和48年嵯峨野に曼荼羅山寂庵を結びました。
晩年まで続いた寂庵での法話は人々からも慕われ、文化勲章も受けています。

本堂には今東光書の「寂庵」の額があり、
境内にはともに風狂の人として心を許し合った書家榊莫山から贈られた莫山書「寂」の庭石があります。
寂聴は出家によって捨てたものより、仏の恩によって得たもの方がはるかに大きいと書いています。


  寂庵の庭

 寂庵本堂

          
 
今東光書「寂庵」     
   
 榊莫山書「寂」の庭石