函谷鉾 (かんこぼこ)

 函谷鉾は中国斉の孟嘗君(もうしょうくん)が、函谷関で家来に鶏の鳴き声をまねさせて、
夜中に関門を開かせ難を逃れたという故事に由来します。
前懸は「イサクに水を供せるリベカ」を題材にした16世紀のベルギー産毛綴で、重文に指定されており、
当日の巡行はその復元品が使用されています。

函谷鉾の前には郭巨山(かっきょやま)が行きます。
これも中国二十四孝のひとつで、貧困のあまり老母と息子を養えなくなった郭巨は、
息子を犠牲にして山に埋めようと穴を掘ったところ、
地中から黄金が出てきて母に孝養が尽くせたという故事に基づきます。
別名「釜堀山」といわれます。 

函谷鉾の後は白楽天山です。
唐の詩人白楽天と道林禪師が、仏法について問答を交わしている二人の姿が見られます。
この山のご利益は、学業成就、疫病退散です。
白楽天山の見送りは、染織作家山鹿清華の「北京万寿山図」の手織錦です。

函谷鉾 前懸 16cベルギー製毛綴 複製品  函谷鉾
 
           
 郭巨山  
白楽天山 見送り 北京万寿山図