放下鉾

放下鉾の名は鉾の真木の中ほど天王座に祀られた放下僧に由来します。
鉾頭には日月星の三光が下界を照らしており、
その形が州浜に似ているところから「すはま鉾」とも呼ばれます。
写真は河原町御池の角を南から西へ廻る祭の見どころ辻回しの風景です。
鉾には舵はなく、青竹を敷き詰め水で湿らせた上に鉾の車輪を乗せ、
音頭取りの「エンヤラヤー」の声に合わせて引手は鉾を横へ滑らせます。
鉾の見送りは染織作家皆川泰三のローケツ染「バグダット」で大きなフクロウ描かれています。

その前を行くのが伯牙山です。
中国の琴の名人伯牙は、自分の琴を一番理解してくれていた友人鍾子期の死を嘆き、
もう琴は弾くことはないと琴を叩き割ったという故事に由来し、別名「琴破山(ことわり山)」とも言われます。

続く太子山は、聖徳太子が四天王寺を建てるとき、自ら山に入って良材を求めたことに由来します。
右手に斧を振り上げた聖徳太子の姿が見られます。
祇園祭の山に飾る真木は松なのですが、この山だけは杉が建てられています。

 放下鉾 見送り バグダッド

  伯牙山

          
 
太子山 前懸 阿房宮図 

 太子山 見送り 五爪龍