船鉾

前祭りの最後を飾るのは「くじ取らず」の船鉾です。
神功皇后は急死した夫仲哀天皇に代わり、妊娠中にもかかわらず男装をして新羅征討に出陣します。
その船がこの船鉾で出陣船鉾といわれ、
勝利を収めて帰国した船が後祭の大船鉾で凱旋船鉾と呼ばれています。
帰国後無事皇子が誕生し、船鉾には安産のご利益があります。
他の鉾のように真木はなく、船首には江戸時代作の架空の鳥、金色の鷁(げき)が置かれ、
船尾には黒漆塗り螺鈿で作られた飛竜紋の舵がついています。
鉾には神功皇后と磯良、住吉、鹿島の3神像が安置されています。
神功皇后は沢山の岩田帯を巻いて巡行に参加し、
祭りの後でその岩田帯は安産のお守りとして妊婦に授与されます。

船鉾の前にはこれも「くじ取らず」の岩戸山が行きます。
岩戸山は天照大神の岩戸隠れの神話に由来します。ご神体は天照大神他3神です。
この山は室町時代からの曳山で、鉾ではなく屋根の上には真木に代わり松が飾られています。

長刀鉾から船鉾まで祇園祭気分をたっぷりと楽しめた1時間30分でした。

 船鉾

 最後をゆく船鉾

            
 
岩戸山 辻回し
 岩戸山 見送り 日月龍唐子嬉遊図