長楽館

最後に枝垂れ桜の向いにある洋風の建物長楽館を訪ねました。
明治の実業家でたばこ王と呼ばれた村井吉兵衛が、明治36年に土地を購入し、
6年の歳月をかけて明治42年に長楽館は完成しました。

ルイ15世王朝の様式で作られた内部の装飾は華麗な雰囲気に包まれ、
館内には伊藤博文が長楽館と名付けた自筆の額が掲げられています。
建物は4階建て鉄骨造りで、4階の窓からは京都市内が一望され、
東には円山公園とその後に知恩院の屋根や東山三十六峰が眺められます。

ここで村井吉兵衛は京都の迎賓館として、国内海外の皇族や賓客をもてなしています。
伊藤博文は長楽館竣工の年ここで1泊した4ヶ月後に、ハルピンで暗殺されました。

村井銀行は昭和初期の金融恐慌で倒産し、
村井煙草も日本専売公社に引き継がれ、長楽館も売却されました。

現在は喫茶とレストラン、そして一部を高級ホテルとして営業されています。
近くには昭和2年に開設された市民の憩いの場所、円山野外音楽堂もあります。


長楽館
 
 館内の階段
          

 館内の装飾

 伊藤博文書 長楽館額