虎渓の庭

 御影堂を後から望む書院の東庭は虎渓の庭と呼ばれます。中国には「虎渓三笑」という故事があり、
浄土教の開祖恵遠は俗世との交わりを絶って、盧山に住み虎渓の谷川を越えないと心に誓っていました。

しかし、訪ねてきた陶淵明と陸修静との会話に意気投合し、二人を送って知らぬ内に虎渓の川を越えてしまったということで、
談笑を楽しむ例えに用いられます。御影堂の屋根を盧山に見立て、中央枯れ滝の石組みからの流れが虎渓の川を表し、
切石の橋を挟んで鶴亀の石を配した枯れ山水の名園です。庭石は伏見城から移したと伝えられています。