八大神社

 一乗寺の産土神として村人の信仰厚いこの八大神社は、永仁2年(1294)創建と伝えられ、御祭神に素盞鳴命、稲田姫命及びその八王子をお祀りしている。
 皇居守護神十二社の一にして朝廷の崇敬厚く、また都の東北、方除神としても知られている。

 本殿の前には、宮本武蔵一乗寺の決闘当時の松と伝えられる幹の一部が、小さなお社の中に注連縄を張って保存され、その横に決闘に望む武蔵の像がある。
吉川英治は随筆の中で、武蔵は決戦に臨み、この神前で「我神仏を尊んで、神仏を恃まず」と心だけを静め、神には祈ることなく、果し合いの場へ向かったと書いている。
               
  
   

宮本武蔵像と初代の松


   
               野仏庵    

 八大神社の前には、西園寺公望公ゆかりの野仏庵がある。
幕末動乱の都を逃れ、丹波須知村に隠棲した公の寓居から、長屋門、茶室が移築されている。 



            狸谷不動院

 狸谷不動院は瓜生山山頂近くにあって、八大神社の前から東へ急坂の参道が伸びている。
本尊不動明王は、鎌倉時代から都の鬼門除けとして、山中石窟内に安置されていたものを、昭和23年開山亮栄上人が懸崖造りの本堂を建立、真言宗の独立寺院とし、最近では魔除け、交通安全の守護神として洛中の信仰を集めている。 
      
   

野仏庵 長屋門

          
   

                洛北を一望する舞台づくりの本堂                        狸谷不動院参道